建築基準法では、居室の天井高さが2,100mm以上と定められている以外は、生活空間に関する高さの規定は意外と少ないです。
様々な高さ寸法を決める際に根拠となるのは、使い勝手、製品の規格寸法、建築資材の歩留まり、感覚的な空間性やプロポーション、効率的な温熱環境、などなど複合的な要因によって決定される部分がほとんどを占めていたりします。
例えば、
・システムキッチンの天端の高さの場合、JIS規格では800mm、850mm、900mm、950mmと4種類の高さを規定していたり、製作キッチンの場合でも「身長÷2+50mm」が適正という計算式があったりします。でも、キッチンを使う人は1人ではないだろうし、体型や体格、スリッパの有無などは考慮されていないので、一様にベストな高さを決定するのは難しいです。
・外部に面する窓の高さも一様に決まることはなく、外部の障害物、景観や方角、内部の家具のレイアウトなどによって高さを変化したりします。
・収納棚の高さも何を収納するのかによってキリがないほど高さ寸法に変化があります。明確に決まっている部分以外は、上下に棚板の高さを変えられる可動式の棚にすることが多いです。
などなど、高さ寸法をしっかりと考え検討することはとても重要で、暮らしの豊かさに直結してきます。
なかなか自由度が高い検討なので住む方の身体的な特徴を考慮することがヒントにはなりますが、誰か一人に合わせ過ぎても良くないのでとても難しいです。
ちなみにですが、私は高さの合わないキッチンで洗い物をするとすぐ腰が痛くなります。。
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