Rootsの家はよく、「Rootsさんの家らしいですね」と言われることがあります。
その言葉の良し悪しは様々だとは思いますが、好意的におっしゃっていただくことが多いです。
そう言われるのには様々な要素があると思うのですが、一要素として、なんとなく窓の配置が影響しているのかなぁと思います。
Rootsでは窓を配置する上で、「全体で美しい立面になっているかどうか」に特に気を配っているのですが、実際にはそれだけで決められることはなく、いろいろな要件が重なり、その中で最善の配置を決定しています。
実は窓という部分は住宅性能という観点からすると、外壁面の中でも一番熱が逃げやすく、どんなに高性能な窓を使ったとしても、断熱材が充填されている壁部分に比べるとどうしても熱が逃げやすい弱点の部分になってしまいます。
そのため断熱という観点だけで見れば、窓は小さくして外壁の全面積に対して6~8%程度の範囲内にするのが断熱性能を高く保つ秘訣となります。つまり、窓は小さくしてあまり設けないほうが、断熱性能の高い家になるのです。
ただそれとは相反する観点になってしまうのですが、日射を獲得するという目的からすると、今度は窓が一番有効な強みとなります。特に冬場の寒い時期には、日射を窓から獲得することで家の中が温められるようになります。
内からの熱を逃がさない断熱と、外から熱を獲得する日射、その両方を検討する必要があり、一般的な考えで言ってしまうと、「全体的には窓は少なくし、南面にだけ大きな窓を設ける」というのが住宅性能を高める上では一番効率的な窓の扱いになります。
しかし窓には、それ以外にもたくさんの大きな役目があります。
ざっと列挙するだけでも、
・通風の獲得
・換気
・採光の獲得
・景色の取り込み
・出入口
・内と外のコミュニケーション
・立面のデザイン
などなど様々な重要な機能を持っています。
断熱や日射といった住宅性能を最優先することで失う機能も多くあるため、様々なことを考慮してバランスの良い配置を目指すしかないというのが実情です。
「Rootsの家らしい」という型にはまりすぎないように、それぞれの敷地やお施主様の暮らしに合う最適な窓を検討したいと考えています。
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