仕事柄、建て替えを予定している古いお家にお邪魔させていただくことがよくあり、解体を待つ旧家をご家族が片付けている場面に出くわすことがあります。

やはりみなさん同じように悩んでいるのは、「昔の人は家にモノを溜め込んでいて片付けるのが本当に大変です」や「モノを片付けたらこんなに広い家だったのに」なんてような話を聞くことがあります。

これは昔の人が単に片付けをしていなかったからという理由ではなく、昔は本当に家にモノを保管しておく必要があったからです。

例えば、現代ではほとんどの冠婚葬祭や地域活動は家の外で行われることが多くなりましたが、昔は家に多くの人を招いて行っていたので、食器や布団や座布団など多くのモノをわざわざ保管しておく必要がありました。

また、昔は職住一体の生活者が多かったので農家をやっている場合には大きな農機具などたくさん保管しておく必要がありました。仕事道具がたくさん家の中にあったのです。

時代時代で生活が変化してきているので、現代で生活をしている人の目には全く使わなくなったものをただただ捨てずに取ってあったとしか映らない場合もあるかもしれません。

もしかしたら昨今の断捨離ブームに浸透した人には、「片付けられないなんて情けない」とまで映るかもしれません。。

 

しかし、この悩みはそう単純ではないと思うんです。

モノには「使うから残す」「使わないから捨てる」という簡単な判断基準だけではなく、そのモノが関わった思い出がある限り、途端に捨てるのが難しくなります。捨てるということはその思い出まで失ってしまうような気になります。

モノが生活のそばにあることで、思い出を思い出すきっかけの一つになっていたのです。

これは昔と今の比較という話だけでなく、現代の人でもモノに溢れた生活を好む方が多くいます。きっとその一つ一つに大切な思い出があるんだと思います。

捨てるのが善ではなく、きちんと収容できることが家づくりにおいて重要なんだろうと思います。

 

Rootsが目指す豊かな暮らしには、思い出や記憶といった過去と現在と未来をつなぐ時間軸や、お客様自身の物語も重要な要素だと考えています。

思い出がつまったモノを暮らしに活かす家作りがRootsの理想です。